「中高生の模擬投票が急増 ウェブで政治論議」
今回の衆院選には選挙権のない高校生らの関心も高まっている。模擬投票を実施した全国の中、高校は前回03年衆院選の5倍になり、昨年参院選と比べても大幅に増加。高校生が開設したインターネットのホームページでも10代が熱い政治論議を交わしている。
◇10代だって「言いたい」
全国の中・高校に模擬投票を呼び掛けたNPO(非営利組織)「ライツ」(東京都港区)によると、10日現在で、少なくとも13都道府県35校に上り、前回03年衆院選の7校、昨年参院選の21校から急増。「投票者数」も5000人を超えて過去最多となることは確実だ。
千葉県柏市の芝浦工大柏中・高校では生徒玄関に投票箱を置き、政党ポスターやマニフェスト(政権公約)を掲げて8、9両日に投票。初めてだった03年衆院選と昨年参院選の「投票率」はともに全体で57%だったが今回は中学生が85%、高校生は62%に達した。
東京都武蔵野市の都立武蔵高校でも9日、独自に3年生の模擬投票を実施。政治経済担当の松田隆夫教諭は「投票したのは半数ほどだったが関心が高く、生徒同士でも郵政や年金の話を議論していた」と語った。投票した佐々実乃里さん(15)は「以前は選挙に興味がありませんでしたが、今回はテレビを見たり、母ともよく話しました。20歳になっていきなり投票するより、今から勉強できて良かった」と話していた。
ライツは東京・渋谷など街頭でも未成年者の模擬投票を呼び掛けている。学校分と合わせ、投票総数は前回衆院選が約2100人、昨年参院選が約4800人だった。ライツの林大介常務理事は「小泉さんが郵政一本に絞って是非を問うやり方が分かりやすく、刺客候補といった劇場型が若者にも受けている」と分析している。【反田昌平、宍戸護】
毎日新聞 2005年9月11日 朝刊